格安SIMの基礎知識

APNではなく実際のIPアドレスからMVNOのMVNEを探ってみた

更新日:

格安SIMの提供事業者がMVNO。そのMVNOへ設備を提供している事業者をMVNEといいます。要はドコモ・au・ソフトバンクらモバイル通信設備の所有者であるMNOとMVNO各社が皆直接契約しているわけではなく、あいだを取り持っている、「卸し」をしている事業者がMVNEです。

商流で表現すると「MNO→MVNE→MVNO」。

ここでMVNEは自社でも格安SIMを提供している場合がありIIJmioを運営するIIJやOCNモバイルONEを運営するNTTコミュニケーションズはそれにあたります。MVNOでありながらMVNEでもある。

この場合は「MNO→MVNO」。

逆にいうと全てのMVNOがMNOと直接契約している訳ではなくどこかのMVNEから設備一式を借りてMVNOをやっています。最初に書いた「MNO→MVNE→MVNO」ですね。

今回MVNO各社のMVNEを調べてみました。

MVNEのISPとしての実績は格安SIM選び評価ポイントのひとつ

何故こんなことをするかというとISP(インターネットサービスプロバイダ)としての実績をMVNO(格安SIM)の評価ポイントのひとつと考えるから。

POI(相互接続点=MNOとの分岐点)からインターネットへの接続はISPのクオリティ次第なのでここが「マズい」と繋がりが良くない格安SIMになります。下のスライドはIIJmio meetingでの公開資料の1ページ、分かりやすいので拝借。

左上のモバイル網の中でMNOの通信設備からPOIを通じてMVNOに入ってきて、中央のIIJバックボーンがインターネットに接続するための通信網、そこからインターネットに出る。このバックボーンの所有者がISPです。

この時は「IIJmioはPOIの調整(=帯域増強)はもちろん頑張るけどその先にある自前のインターネットバックボーンが凄いしそもそも本業だから安心して使って下さいね!」的な説明でした。

MNO各社と相互接続しているMVNEはISPです。だから今検討しているMVNOがどのMVNEなのか知ることは格安SIMを選定する上でインターネット接続環境の良し悪しを図る参考材料になります。

スポンサーリンク

MVNOから割り当てられたIPからリモートホスト名を調査

MVNOの格安SIMを挿して取得するIPアドレスからどのサーバー(リモートホスト)を経由してネットに出ているか確認が出来ます。このサーバーの所有者がMVNEです。

これまでもAPNからMVNEを推察、確認することもできましたが最近ではAPNからは分からないMVNO(例えばLINEモバイルのAPNは「line.me」)も登場しているので、精度を上げる意味でも実際に割り当てられたIPを確認してリモートホストを特定します。

利用したツールはお馴染みCMANのネットワーク監視→https://www.cman.jp/network/ あとはJPRS、ベリサインのWhois。

最初はMVNO老舗のIIJmioから。

IIJmio

すでに書いちゃっていますがIIJmioの運営会社であるIIJはMVNEでもあります。

スマホに設定したAPNはiijmio.jp、しかし実際のIPのホスト名を見るとvmobile.jpとある。

JPRSでvmobile.jpを確認した結果が下のスクショ。IIJmioのSIM利用時に取得するIPアドレスは株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)のサーバーです。

ドメイン名の前にあるサブドメイン「rev」は今回気にしないようにします。地域だったり時期だったりとMVNEの都合でドメインを別けているのでこうなっています。

OCNモバイルONE

続いてユーザー数No,1のOCNモバイルONE。こちらもMVNEでありながらMVNOです。

APNはlte-d.ocn.ne.jpですが実際のホスト名はosaka.ocn.ne.jp。

ドメイン名にOCNと出ているので明らかですね、NTTコミュニケーションズの自社サーバーでIPを振り出しています。

 

FREETEL

2015年に独自でドコモとL2接続を契約したと発表がありましたが実際に確認しましょう。

直近のフリーテルのAPNはfreetel.link。しかしフリーテルはDNSに登録していないのか分かりませんがIPアドレスしか出てきません。ホスト名不明。

そこでIPアドレスから逆引きでWHOISを見たら出てきました。

組織名PlusOne maketing Ltd、運営会社のプラスワンマーケティングの自社サーバーです。よってフリーテルも発表の通り自社でL2接続を行っているMVNOです。

LINEモバイル

LINEモバイルのIPホスト名は「osaka.ocn.ne.jp」、これはNTTコミュニケーションズのサーバーです。よってLINEモバイルのMVNEはNTTコミュニケーションズです。

NTTコミュニケーションズは自社でOCNモバイルONEを運営しながらLINEモバイルに設備と仕組みを卸しています。

LINEモバイルのAPNはline.meですが実際のリモートホストはocn.ne.jp。APNから探るのもひとつの方法ですけどこんなケースもあるのでIPから調べた次第です。

楽天モバイル

楽天モバイルのAPNはrmobile.jp、しかし実際のホスト名はdocomo.sannet.ne.jp。

このサンネットというのは楽天コミュニケーションズが提供しているインターネット接続サービスです。同じグループ企業ではあるけど厳密にいうとMVNEは楽天コミュニケーションズになります。

このサンネット、元々は三洋電機グループのIT事業に特化した三洋ITソリューションズ(既に解散)のサービスでしたが途中フージョンコミュニケーションズにインターネット事業を譲渡します。

このフージョンコミュニケーションズが楽天コミュニケーションズの前身です。

イオンモバイル

イオンモバイルのAPNはi-aeonmobile.com、実際のIPホスト名はvmobile.jp、一番最初のIIJmioと同じサーバーです。よってイオンモバイルのMVNEはIIJ。

IIJは自社でIIJmioを運営しながらイオンモバイルのMVNEもやっています。

NUROモバイル

続いてnuroモバイル。APNはso-net.jpでIPのホスト名はnuro.jp。これだけでもソニーの自社サーバーだと検討がつきますが念のためwhoisもチェック。

登録者名にソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社とあるのでnuroモバイルは自社でMNOと接続しているMVNOです。

U-mobile

APNはumobile.jpですがU-mobileから割り振られたIPのホスト名はmvno.net。

よくまぁこんなドメイン名が取れたよなーと思いつつも名前からは全く検討がつかないのでベリサインのWhoisを確認。

すると登録者にGMOのお名前コムの表記が。これはWhois代行サービスを利用していると思われます。よってIPアドレスからMVNEを特定できませんでした。調査を継続します。

※2017年6月16日追記※

mvno.net所有者の想定が付きました。どうやらフリービットの可能性が高い。よってU-mobileのドコモプランのMVNEはフリービット(DTI)です。詳細はこちらの記事もご参照ください→U-mobileのMVNEはDTIだった?!mvno.netはフリービット??

mineo

APNはmineo-d.jpで実際のIPホスト名はmineo.jp。明らかに自社サーバーです。スクショは載せていませんがmineo.jpの登録者をJPRSで確認すると株式会社ケイ・オプティコム。

マイネオはISPであるケイ・プティコムが直接運営しているMVNOです。

DMMモバイル

DMMモバイルのリモートホストはvmobile.jp、何度か登場しているIIJのサーバです。

よってDMMモバイルのMVNEはIIJ、そしてIIJは自社でIIJmioを運営しながらもイオンモバイルとDMMモバイルに設備一式を卸しているMVNEでもあります。

MVNOのMVNE調査まとめ

今回私が所有するドコモ系のMVNO11社のMVNEを調べました。結果をまとめると以下のとおり。

  • IIJ(インターネットイニシアティブジャパン)… IIJmio・イオンモバイル・DMMモバイル
  • OCN(NTTコミュニケーションズ)… OCNモバイルONE・LINEモバイル
  • プラスワンマーケティング … FREETEL
  • 楽天コミュニケーションズ … 楽天モバイル
  • ケイ・オプティコム … マイネオ
  • ソニーネットワークコミュニケーションズ … nuroモバイル
  • フリービット … DTI・U-mobile

これから6社7社のMVNEが存在しドコモと相互接続していることがわかります。意外とばらけていると思われそうですがこれは私が異なるMVNE(=ISP)のSIMを集めて通信状況や料金、プランを比較したくてあえてこのように選択した結果。まだここに登場していないMVNEとしてはDTIや日本通信などが想定されます。

メモ【2017年6月16日追記】

U-mobileのMVNEはフリービット株式会社の可能性が高い。よってフリービットは自社グループでDTIを運営しつつU-mobileのMVNEでもあります。

この6社のうちプラスワンマーケティング以外の5社6社以前からISP事業を行っています。当シムモビでいっている格安SIM・MVNOの選定ポイント「ISPとしての実績」というのはここです。

MVNOのMVNEがどこなのか、そのMVNEのこれまでのISP事業の評判はどうなのか、しっかり確認して格安SIM選びの検討材料にしましょう!

-格安SIMの基礎知識
-,

Copyright© シムモビ , 2017 All Rights Reserved.